なぜ今まで知らなかったのか。
先日からMacBook Pro 2016とLG UltraFine 4K Displayを導入してとても快適な作業環境が出来上がり出していました。
iMacを使用していた時から慣れていたMagic TrackpadとMagic Keyboardを使っていたんだけど、ある時トバログさんを読んでいたら下記の記事が目に飛び込んできました。
https://tobalog.com/2017/04/hhkb-professional-bt/
それはとても衝撃的でした。
時代はどんどん薄型化しているキーボードに対し、こういった昔からの形のキーボードが根強い人気があるのかと。
いつもパソコンやモバイルガジェットは結構好きで良くみていたけどキーボードはノーマークでした。
しかもトバログさんが紹介しているこのHappy Hacking Keyboard BTはとても高額。
https://tobalog.com/2017/05/hhkb-review/
それでも調べていくと多くのエンジニアや物書きの方々の間で昔から愛用されているようでした。
Magic Keyboardも悪くない製品ではあるんだけど長い文章を打っているととても疲れました。
もしこの疲れがキーボードを替えて無くなるならぜひ試してみたい。
いつからかあっという間にこのHappy Hacking Keyboardを試したくなっていました。
調べていくとどうやらHappy Hacking Keyboardには廉価版のHappy Hacking Keyboard Lite2 for Macというものがある事を知りました。
このキーボードはメンブレン方式が採用されています。
またPFUのHappy Hacking Keyboardと双璧をなすのがTopreのRealForceシリーズ。
Happy Hacking Keyboardの方はこのTopreのOEMとなっているそうです。
Happy Hacking Keyboardとは。
東京大学名誉教授 和田英一先生とPFU研究所との共同研究によって生まれた、正統派ハッカー待望のキーボードです。とのこと。
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
[東京大学 和田英一 名誉教授の談話]
こういった名言があリます。
確かにパソコンはどんどん変わっていくけどキーボードという入力デバイスは良いものであればパソコンが変わろうともキーボードを変える必要はなくなり、確かに愛用するようになっていきますね。
キーボードの種類
キーボードには主に4つの方式でキーを入力する仕様があるらしいです。
それが下記4点。
- メンブレン
- パンダグラフ
- メカニカル
- 静電容量無接点方式
その中でも安価で一般的な物がメンブレン、一番高価で打ち心地が最高なのが静電容量無接点方式との事。
静電容量無接点方式で代表的なのはRealForceと、このHappy Hacking Keyboard。
他にもLeopoldというのもあるみたいです。
今回はそれらを導入するのは気が引けたので廉価版のメンブレンであるHappy Hacking Keyboard Lite2 for Macをチョイスしてみました。
最終的には静電容量無接点方式のものに行ってしまいそうだけどあくまでもまずはお試しで。
実際、最終的に静電容量無接点方式に行ってしまう人がほとんどみたいです。
ありがたい事にほとんどのキーボードがWindows用に作られているみたいなんだけど、この廉価版のHappy Hacking KeyboardはMac仕様に作られているとの事でとても嬉しい。
やっぱりキーボードにWindowsのマークがあるのが好きになれず、そして⌘マークがあるのが嬉しいです。
かなりの自己満足だけど満足したい。
外観チェック!

外箱。
新品なのに結構汚いです。
このモデルは2007年から出ている商品なので仕方ないのかもしれないですが。
10年前って。すごいな。
それだけのロングセラーというのは本当にすごいです。
期待が高鳴ります。
ちゃんとMacのロゴも入っていて良い感じ。
色は当時のMacに合わせた色なのか、スノーホワイトというカラーリングでこれはHappy Hacking Keyboard Lite2 for Macだけのカラーリング。

外箱裏面。
色々と説明が書いてあります。
- 高品位キー
- UNIX配列
- コンパクト
- USB HUB搭載
- カスタマイズ
高品位キーと謳っているのは、シリンドリカルステップスカルプチャというキーがそれぞれの段で打ちやすいような角度になっています。
そして押下圧は55g。
これは一般的な容量無接点方式のものに比べると重いです。
容量無接点方式に比べるとやっぱり疲れやすそうです。
UNIX配列という事なんだけどこの配列を採用している事がHappy Hacking Keyboardの人気の一つとなっているみたい。
「A」の隣にControlキーがある事でホームポジションを崩さずに様々なショートカットが使えてこの配列になれるととても使いやすくなるらしいです。
そしてこの配列にしたり、Fnキーで様々なショートカット使うようにして極力キー数を少なくしてコンパクトにした事も特徴の一つ。
テンキーがあるフルサイズキーボードは使い勝手は良いけどデスクのスペースを大きく取ってしまうのでマウスやトラックパッドが必然的に遠くなってしまって嫌う人も多いみたいですね。
これだけコンパクトであれば、サッとキーボードを移動してデスクワークもしやすくなるという利点があります。
USBハブについては搭載されているけどあくまでおまけ程度みたいです。
これでiPhoneの充電はできませんでした。

このHappy Hacking Keyboardシリーズにはディップスイッチというものがあって、物理的にキースイッチのONOFFの切り替えでキーの認識を変えられます。これにより、Macのキー配列に変えたり、DeleteキーをBSキーに変える事もできます。
こういったカスタマイズができるのはOSを跨いで使う事も可能なので使い勝手が良いと思います。
こちらが本体!

正直有線接続だし、スノーホワイトというカラーリングは可愛らしく柔らかい雰囲気はあるんだけどそれでもこのストロークの深いキーの形と連動して古臭い印象は否めません。
そしてこれは廉価版だからかキーの一つ一つも安っぽい印象を受けました。

キーボード裏面にはスタンドもあるので少し角度を付ける事が可能です。
だけどこれって打ちやすくするというよりはキーボードの印字を見やすくするために角度をつけるらしいです。
だけど角度つけた方が僕は打ちやすい。

今回購入したのはUSキーボード。
MacBook ProやMagic KeyboardのUS配列にすっかり慣れていたので今回もこのUSキーボードを選びました。
特徴的なのは通常のHappy Hacking KeyboardのUSキーボードにはカーソルキーがないんだけどこのHappy Hacking Keyboard Lite2 for Macだけはカーソルキーがあるのが特徴の一つ。
結構カーソルキーは使うので嬉しいです。
上位モデルのUS配列のキーボードにはカーソルキーがないんですよね。
導入してくれという声は多いみたいです。
上位モデルにも場所的には導入できそうなんだけどな。
そのせいで日本語配列を選ぶ人も多いみたいです。
打ってみた印象は。
早速打ってみたんだけどいつもペチペチと薄いキーボードで打っていたので最初は慣れなかったです。
とても不思議な感じ。
キーストロークが4.0mmと深め。
Magic Keyboardが2.0mmくらいみたいなので倍のストロークの深さはやはり打った感覚が全く違います。
そして押しているとプラスチックの擦れる音で結構カチャカチャとうるさい。
押下圧も55gなのでやっぱり重いなーという印象でした。
ただ、キー配列は慣れれば、あまりホームポジションを崩さずに打てるようになるためとても使いやすくなります。
独特なキー配列なので慣れれば最高だけどこの配列以外のキーボードは打てなくなりそうです。
なんとHappy Hacking Keyboard Lite2を改造できるらしい。
打っていてこんなもんなのかなとまずはこれに慣れるようにキーを打ち続けたけど、どうやらこの廉価版であるHappy Hacking Keyboard Lite2を改造すると格段に使いやすくなるという情報をキャッチしました。
これより使いやすくなるなら!と意を決して改造に取り掛かる事にしました。
やった事は下記の3点。
- メンブレン方式の要「ゴムシート」に穴を開けて押下圧を下げる。
- キートップ一つ一つにグリスを塗って滑りを良くする。
- キーボードにゴムシートを貼ってキーストロークを浅く、静音性を高める。
これらの改造を行った結論としては、最初よりは良くなったけど、「う〜ん」という感じ。
そして労力が半端じゃないので、それなら思い切って上位モデルに手を出した方が良いです。
一応改造の流れもご紹介。

まずはこうやってキートップを全て外します。
クレジットカードやポイントカードのような硬い材質をキートップのスペースに入れてテコの原理で持ち上げれば容易に外れます。

外したキートップ。
丁寧に順番に並べておかないと後ではめ直す時に苦労します。
この時点で「何やってるんだろう」と軽く感じます。
そして裏面のネジを開けると基盤が姿を現します。

廉価版は比較的簡易的。
これが上位版だと色々と複雑な構造になっているらしいです。

そしてこちらがキー入力の押下圧を左右するゴムシート。
ペラペラで心許ない。破らないように気をつけます。

そしてこの盛り上がったところに穴ポンチを使用して穴を開けていきます。
この穴の数で結構押下圧が変わるみたいです。
参考にした先人達のブログを参考にハンマーで穴ポンチを叩いていきます。
これがとんでもない労力。
一つの盛り上がっている部分に4つの穴を開けたので相当な数です。
めちゃくちゃ疲れた。
この時点で「何やってるんだろう」をかなり強く感じました。

そしてキートップにプラスチック用のグリスを塗布。
これももちろんキートップ一つ一つに。
「何やってるんだろう」

そしてボードにはゴムシートを張り巡らせます。
この辺りで集中力が切れてきて雑な感じに。
キーがゴムに当たれば問題ないので良いですよね。
ここで「何やってるんだろう」がMAXに。

そしてキートップをはめて無事に完成!!キーも問題なく反応します。
改造後の打鍵感は。
早速打ってみると改造前と打鍵感が全然違う!
押下圧が下がってキータッチがとても軽くなりました。
むしろ軽くなりすぎた。
個人的にはゴムシートの穴開けは3つで良いかもしれないです。
そしてカチャカチャとうるさかった音もかなり静かになりました。
これはグリスとゴムシートの効果が強いと思います。
その後ボードに貼ったゴムシートのせいでキーストロークが浅くなってしまったのがなんだか嫌だったのでゴムシートをはがしました。
結果、キーストロークも程よく静かに軽い打鍵感になって完成。
まとめ
間違いなく上位モデルを買った方が良いです。
改造によってある程度打鍵感は改善するけどベストじゃない。
それと多分メンブレン方式というもの自体が容量無接点方式と大きな差があると思います。
そしてこの改造の労力を考えたら間違いなく初めから上位モデルに行くのが一番良いです。
それでも今回はお試しとしてHappy Hacking Keyboardというキーボードの配列などを体感する事は出来ました。
キーストロークや配列は慣れるととても打ちやすく、このHappy Hacking Keyboardシリーズが人気の理由はわかりました。
次回はいよいよHappy Hacking Keyboard BTにいってみたいと思います。
HHKB Liteは静電容量無接点方式じゃなくただのメンブレンですよ。